物事はちゃんと順序立てたメカニズムで動いているという事。普段の野球チームでの練習では目の前の「勝利」が優先されがちで、その本質を知らないまま野球をしている選手が大半だろうと推測されます。
それはそれ、これはこれとして、ここではそこになかなか注力するには指導者側にも勇気と忍耐が求められます。ここでの活動の一番の特徴は「勝利」が目の前にない事にあります。なので即効性のない事であっても、運動神経を司る機能を発達させるトレーニングを積極的に取り入れていくことができます。
楽しさ新鮮さ半分、疑問半分といったところでしょうか?これって本当に野球に関係あるの?こんなことで上手くなるの?と思いたくなるところです。
これはあくまでも野球を上手くするためのトレーニングではありません。本来発揮できるべく能力を引き出すためのトレーニングといった方が良いかもしれません。これをしたからチームが強くなるとは別問題ですが、個人能力を数値化すれば成長している事が明確になるものだと思います。
そんな練習を約30分と人数の割には短い時間での内容なので全てにおいて行き渡って見る事はできませんでしたが、各自自主的に個人が上手くなるためのトレーニングツールの一部に組み込んでもらえたらと思います。
今回は今までの基礎的トレーニングから少し発展させて、野球に関わる動きの中でのいわゆる脳トレ的な内容も組み込んでみました。例えば「ボールをよく見ろ」という指導。どこまでどうボールを見るの?実際は具体的な位置を示すデータもあります。でもそのボールを見るためのトレーニングはしているの?ここです。こういった部分が疎かになっているから選手が困惑するのです。意外と楽しく凄く良い練習だったと思うので、また少しずつバリュエーションを増やしていきたいと思います。
後半はスローボール紅白戦。始めたころよりずいぶんと成長したのは、空間認知能力を示すスローボールのコントロールです。打たれる球と打たれない球。あくまでもデータに基づく確率論ですが、どこに勇気を持って投げ込むか?少しずつ理解してきている選手が増えてきました。他方まだ勇気が持てずにボールが逃げてしまい、出すはずもない四球を出してしまう選手も。ただ楽しく行っていますが、実は相当ハイレベルな考え方のもとに何気なく行っている紅白戦。メカニズムが頭に入っていればこそ、なにも難しく考える必要はありません。野球は確率のスポーツであること。身体の大きさやパワーだけが勝負ポイントではないという事。使い方や考え方一つでひっくり返せるという事。逆に気持ちばかり先行するとひっくり返されるという事。そんなことが知らず知らずのうちに身に付いてきていけるようにこの即効性のないトレーニングを辛抱強く続けていきましょう。今がちょうどみんなスタートラインに立ったばかりで統一感持って行える事もあり、正しくメカニズムを理解する事で近い将来自信を持った勝者のメンタリティーに生まれ変わっていると願っています。
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